遺言書を作成するメリット
相続人が複数いる場合は、お互いの相続分を主張し合ってなかなか話がまとまらず、争いにまで発展してしまうこともしばしばです。遺言を残しておけば、それぞれの相続分をはっきりさせることができるので争いになりにくいことと、相続人に対して被相続人の気持ち(思い:妻への感謝の気持ち等)を文章として残しておけます。
遺言執行者を指定しておくと、事務処理がスムーズに進みます。
遺言執行者を指定しない場合、家庭裁判所により指定することになり手数と時間がかかります。
行政書士は遺言執行者となることが可能です!
特に遺言が必要な場合
夫婦に子がいない場合
夫に兄弟姉妹がいると相続分として4分の1が取得でき、妻は全財産の4分の3しか取得できないことになってしまいます。そこで遺言書で妻に全財産を相続させるとしておけば、兄弟姉妹には遺留分がないので妻に全財産を相続させることができます。
相続人同士が不仲または疎遠な場合
遺産争いとなるおそれがあります。
相続人以外の人に財産を分けたい場合
お世話になった人が相続人ではないが、財産を分けたい時など。
相続人がいない場合
そのままでは国庫に帰属してしまうので、お世話になった人にあげたり、どこかに寄付したい時など。
遺言書の種類
公正証書遺言
<メリット>
- 法的不備や方式不備のおそれがなく安心
- 家庭裁判所での検認が不要
- 破棄、隠匿、改ざんのおそれがない
<デメリット>
・費用がかかる
自筆証書遺言
<条件>
- 遺言書の全文が遺言者の自筆で記述
- 日付と氏名の自署
- 押印してあること(実印である必要はない)
<メリット>
- 費用がかからない。
- いつでも書ける。
<デメリット>
- 法的不備や方式不備のおそれ
- 家庭裁判所での検認が必要
- 破棄、隠匿、改ざんのおそれ
秘密証書遺言
<メリット>
- 遺言内容を秘密にしつつ公証人の関与を経ることができる方式。
<デメリット>
- 法的不備や方式不備のおそれ
- 家庭裁判所での検認が必要
- 破棄、隠匿、改ざんのおそれ
- 費用がかかる。
遺言書作成における必要書類(公正証書遺言の場合)
- 遺言者の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
- 遺言者と相続人の続柄がわかる戸籍謄本等
- 相続する者の住民票
- 相続人以外の者に遺贈する場合は、その者の住民票
- 財産が不動産の場合には土地、建物の登記事項証明書(登記簿謄本)及び固定資産評価証明書
- 預貯金口座通帳のコピー
公正証書遺言作成時の注意点
証人について
次の人は証人になれません
①未成年者
②推定相続人、受遺者(遺言により遺贈をうける指定がされている者)、これらの配偶者および直系血族
③公証人の配偶者、4親等内の親族、公証役場の書記や使用人
遺留分とは
人は自分の財産を遺言によって自由に処分できますが、全財産を自治体に寄付した場合などは相続人は1円も相続できないことになり、生活に支障をきたし不公平な結果になる場合があります。
そこで、相続人の生活保障や公平さをはかるため相続人がもらえる遺産の最小限度の部分のことをいいます。
遺言書の作成時には遺留分にも配慮することも必要になる場合もあります。
遺留分の割合
- 直系尊属のみが相続人の場合は被相続人の財産の1/3
- それ以外の場合は全体で被相続人の財産の1/2
- 兄弟姉妹に遺留分はありません。
公正証書遺言作成ご依頼時の流れ
- 面談又は電話にて遺言内容の聞き取り
- 報酬額のお見積もり、正式にご依頼
- 報酬のお支払い(現金かお振込みでお願い致します。)
- 必要書類の収集(戸籍謄本、不動産登記簿謄本等)
- 遺言書記載内容の起案作成(遺言書原案作成)
- 公証役場に遺言書記載内容と必要書類の確認と手数料の確認
- 公証役場に手数料(大体数万円になることが多いです。)のお支払い
- 日時を指定して公証役場にて公正証書遺言の作成
(遺言者ご本人も公証役場に来て頂く必要があります。)
(証人が2人必要ですが私ともう1人は私が依頼しておくのでご安心下さい。) - 公正証書遺言の謄本を受け取ります。
(正本は遺言執行者が保管します。)
(公正証書遺言の原本は公証役場で半永久的に保管してもらえます。)
報酬額
相続人及び相続財産の調査 30,000円(税込)~
遺言書の起案及び作成(自筆遺言書) 30,000円(税込)~
遺言書の起案及び作成(公正証書遺言) 80,000円(税込)~
遺言書の起案及び作成(相続人が兄弟姉妹の場合) 上記に+20,000円(税込)~
遺言執行手続 相続財産額の1~2%(30万円~)
<その他手数料・公正証書遺言作成等>
公証役場・・・財産の目的の価額によって手数料が定められています。
相続人ごとに手数料を算出して、合計を出します。
目的の価額 手数料
100万円まで 5,000円
200万円まで 7,000円
500万円まで 11,000円
1,000万円まで 17,000円
3,000万円まで 23,000円
5,000万円まで 29,000円
1億円まで 43,000円
以下超過額5,000万円まで毎に、1億円超3億円までは各13,000円、3億円超10億円までは各11,000円、10億円を超えるもの各8,000円が加算されます。
なお、目的価額の合計額が1億円までの場合は、上記金額にさらに11,000円が加算されます。